はじめに
Cubaseでは音源ソフトのMIDIノートをオーディオ化する操作がいくつかあります。
- 「ファイル」から出力
- インプレイスレンダリグ
- オーディオトラックでリアルタイム録音
この記事では、③の方法(ギターなどの録音で使われる)をご紹介します。
しかし、実際には楽器は使わず、ソフト音源をMIDIで鳴らしながら録音する方法です。
Cubase的に言うと、インストゥルメントトラックでMIDIを「再生」 or 「演奏(入力)」しながら、オーディオトラックにリアルタイムで録音していく、ということです。
なぜ、それが必要なのか?
音源ソフトによって、CC(Control Change)に割り当てられていないパラメータがあるからです。
オートメーションしたくても、用意されていないから、それが出来ない。
じゃあ、音源ソフトを楽器のように録音すればいいじゃないか。ということです。
また、本記事ではCubase10.5.30を使用しております。
では、具体的な手順を見ていきましょう。
①グループトラックの作成
まずは、グループトラックを作成します。
録音したいインストゥルメントトラックを右クリックし「トラックを追加」 → 「選択チャンネルにグループチャンネル」を選択します。

グループトラックの名前「groupe_001」を入力し、「トラックを追加」をクリック。

グループトラック「groupe_001」が出来ました。

ここで、MIDIキーボードで音を出して確認してみましょう。
↓の画像のように、グループトラックから音が出ていればOKです。

もし、この時点で音が出ていない場合は、ミックスコンソールを開きましょう。( [F3]キー )
録音したいインストゥルメントトラックの出力を、「groupe_001」に設定し直します。

②オーディオトラックの作成
オーディオトラックを作成します。

「オーディオ入力」のプルダウンから、「groupe_001」を選択します。

オーディオトラックの名前「Audio Track」を入力し、「トラックを追加」をクリック。

オーディオトラック「Audio Track」が出来ました。
トラックの上下を入れ替えています。

オーディオトラックを選択し、左のインスペクターの入力が「groupe_001」になっているかを確認します。

これで準備OKです。
③録音設定の確認
[F2]キーでトランスポートパネルを表示し、歯車アイコンをクリックして「オーディオ録音モード」にチェックを入れます。

トランスポートパネルに表示された波形アイコンをクリックし、「履歴を保持」を選択します。

④録音する範囲の設定
では、実際に録音していく前に、録音する範囲を設定します。
録音する小節をロケーターで区切り、[ / ]キーでサイクルを有効にします。
この時、実際に録音する範囲よりも、少し広めにとっておきましょう。

[F2]キーでトランスポートパネルを表示し、歯車アイコンをクリックして「パンチポイント」にチェックを入れます。

トランスポートパネルに表示された「パンチポイント」設定の南京錠アイコンをクリックし、背景を灰色に(OFFに)します。

2つのパンチポイントをそれぞれクリックし、ルーラー上に赤色の三角形のパンチポイントを表示させましょう。

再生バーがパンチポイントを通過すると、パンチポイント内だけが録音されます。
赤色の三角形を、録音したい範囲まで狭めます。

これで録音範囲の設定が完了しました。
次はいよいよ録音をしていきます。
⑤実際に録音していく
オーディオトラックとインストゥルメントトラックを両方選択します。( [Ctrl]キー + クリック )

キーボードの[ * ]キーで録音を開始します。
この時、インストゥルメントトラックのウィンドウも表示しておき、「CCで変更が出来ないパラメータ」を調整しつつ録音します。

上手く録音できるまでサイクル内をループさせながら連続で録音し、納得がいったら録音を止めます。
繰り返し録音した各テイクはレーンで一覧でき、Soloモードで選定します。

最後に、インストゥルメントトラックを選択し、「編集」 → 「インプレイスレンダリング」でトラック全体のwaveファイルを作成します。

その上に、先ほど録音したwaveファイルを、重ねます。

オーディオトラックでは、ファイルを重ねた場合、一番上にある音声ファイルのみが再生されますので、特に下になっているデータをはさみで切り取ったりする必要はありません。
最終的に出来上がったオーディオトラックを出力して、完了です。
お疲れ様でした。
最後に
CubaseでMIDIノートをライブでオーディオ化する方法をご紹介しました。
「CCで変更が出来ないパラメータ」を持つ音源ソフトを扱う場合に、役立つかと思います。
また、この記事の手順に慣れたら、「先にインプレイスレンダリング」をし、「そのトラックの上から部分的に録音」した方が、より効率的です。
以上になります。